親の家を片づける⑤

父の家を片づけることの大変さと気楽さについて


まず、気楽な点については、金目のものは取っておく、不要なものは捨てる。これに尽きると思う。自分の場合に置き換えてみればいい。子供たちにとって不要なものは捨ててもらいたい。金目のものは彼らの好きにして貰ったら良い。そう考えるものだ。

大変な点は、量が多くて、種類が多様なこと。
古い使用に堪えない布団は百キログラムを超えてあった。毛布やタオルケットは箱入りのまま、押入れから次から次へと出て来た。タオルや手ぬぐいは何百本も、石鹸も箱入りで数百個出て来た。暮らしの手帳やソレイユはおそらく、創刊号から残していた。残念なことに虫食いで誇りまみれ。 素手で触るとかゆくてたまらない。

でも、父親が生活していた母屋はほぼ片付いた。村役場の、ずっと父の世話をしてくれた生活支援センターの人が位牌を拝みに来てくれて、家も庭もすっかりきれいになりましたねと言ってくれた。家内は大変よろこんでいた。彼女にすれば、四十九日から病を押して掃除と片づけに没頭した甲斐があっただろう。

まだ、倉庫と離れの二階建てと本と手紙と写真の整理が残っている。まだまだ、父の家の片付けは続く。

ケイちゃん19の夏。「おばちゃん、ごめんね。赤いスカートなんか、はかない。」

 

おばちゃんがわざわざ、札幌でケイちゃんのために赤いスカートを買って来てくれた。日高に着いてからケイちゃんがずーっとおんなじ格好をしているのを気にして、札幌へ出た時にケイちゃんのために買ってきてくれたものだった。

 

「おばちゃん。ありがとう。でも、これはちょっとはけないな。あたしに似合わないし、、、、。」

「そうかい。よく似合うと思うけどねえ。」

「かあさん。だめだよ。若い子は赤いスカートなんかはかないべさ。」

 

いとこの由美子さんが助け舟を出してくれた。

由美子さんはケイちゃんのいとこといっても、ケイちゃんの母親くらいの年齢だ。いとこの由美子さんの子のエリちゃんとケイちゃんは同い年だ。


だから、「赤いスカート」の一件は母くらいの年のいとこの由美子さんが祖母くらいの年のおばちゃんをとりなしてくれたようなものだった。「赤いスカート」はかわいいと思うおばちゃんの考えは19歳のケイちゃんには通じていなかった。けれど、いとこの由美子さんはケイちゃんの気持ちをわかってくれたのだ。

『横田基地祭り・日米友好祭』に行った

いささか旧聞になるが、2015年9月7日に『横田基地祭り・日米友好祭』に行った。『オスプレイ』を見られるというので。天気は、今にも降りだしそうな空模様。横田基地のある東福生駅に着いたのは午後一時であった。後日知ったが、『横田基地祭り・日米友好祭』には15万人の来場者があったらしい。正面ゲートには黒山の人だかり。日本国民はそれほど日米問題に関心があったのか? といささが不思議になってくる。

警察官や米軍兵士の誘導に従って進んで行くと、基地内の最初のゲートで金属探知機にかけられる頃に、筆者は周りの様子に気が付いた。来場者には、若いカップルが圧倒的に多い。皆、お祭り気分で来ているようだ。もちろん、『日米友好祭』と言うからには、それは正しいことなのかも知れない。 

基地内には、アメリカンフーズやTシャツ、タオル、玩具等の売店が進路に沿って延々と軒を連ねている。空軍機用の巨大な格納庫の中にも売店が沢山あり、真ん中にステージが組まれ、軍人さんと家族らしき人達で編成されたコーラスグループが歌っている。

そこから外に出て、滑走路の手前にも食べ物の露店がずらりと並び、野外ステージが等間隔で組まれている。それぞれのステージに大勢のオーディエンスが集まっている。更に、その先では、F1のレーシングカーの展示をしていて、エンジンの爆音が鳴り響いている。それをプロレスラーの高山善廣さんが熱心に見ていた。

遠くには森が見え、その横にマンション風の白亜の建物、教会風の建物が見える。基地内はとにかく広い。まるで東京都の中にアメリカの地方の田園都市が一個、出現したかのように錯覚する。各所に銃を携えた迷彩服姿の兵士が立っている。皆、明るく、にこやかだ。

別々に三人の米兵に話しかけたが、全員、日本語は話せなかった。

私「オスプレイはどこ?」

二十代米兵「ペラペラ…ニキロ先、ターン・トゥー・ザ・レフト…ペラペラ。」

なんと、彼は『ニキロ先』だけ日本語を使った。『オスプレイ』と尋ねたら、一瞬小首をかしげ、それから、

「Oh!『アースプレイ』!!」

と叫んでにっこりした。

私「連れがあなたと記念撮影を望んでいるのだけど。」

イケメン米兵「OK!」

写真撮影には快諾を得た。なんか映画俳優みたいな兵士だな、と思っていたが、ふと、後ろをふりかえると若い女性のグループが記念撮影の順番を待っていた。彼は女性に人気があるのだと分かった。

私「『オスプレイ』は米軍と日本国に利益をもたらすか?」

三十代米兵「ペラペラ………ペラペラ。」

この私の質問は大きな過ちだった。私は英語ができない。できないのに質問だけ、英語で準備してきたからだ。問われた相手は、当然、英語で返してくる。大変気まずく、謝してその場を離れた。

さて、基地内を2キロも歩かないうちに、オスプレイが見えて来た。しかし、オスプレイに近づく順番待ちの行列が回りを取り巻いている。オスプレイの内部を見せてくれるらしいが、夕刻近くまで並ぶということで、断念した。

仕方が無いので、数百メートル先から写真に収めた。この日は『オスプレイ』について知りたいと思って『横田基地祭り・日米友好祭』に出かけたのだが英会話ができないものだから、肝心の『オスプレイ』について米兵とは話ができなかった。

来年迄に英会話を習おう、と思いながら帰路に着いた私であった。

小江戸で知られる埼玉県川越市に行って来た

先日、小江戸で知られる埼玉県川越市に行って来た。東京に住むようになった時に、川越市に住む友人から、一度観光に来い、見ておいて損はないからと言う丁寧な誘いを受けていたので、訪問した次第だ。

以前、岡山県の美観地区に行ったことがある。伝統的建造物が保存された「美観地区」で有名だ。川越市も同様に、旧市街の歴史的街並みが「蔵造りの街」として美しく保存されている。小江戸・川越について見聞きしたところ、岡山の美観地区とイメージが重なった。

白壁の土蔵や古い町屋の建物、甍の波等々。岡山の美観地区と似たようなもんなら、行かなくてもだいたいどんな所か想像がつく・・・と勝手に解釈しており、それほど期待はせずの「きまぐれ訪問」となったわけだ。

しかし、実際に足を運んでみて、予想は全く裏切られた。

3時間余り滞在したが、岡山の美観地区よりは、町屋や街路が整備されている。美味しいものも多いし、歴史的建造物もきれい。観光地を巡る循環バスが整備されており、これがまた非常に便利。いろいろな面で観光地としては、岡山よりも数段上だと思った。

こう書くと、偏見だの、主観の押し付けだのとお叱りを受けることは必然だが、観光地の街並みとして、歴史的に見ても小江戸・川越の方が岡山の美観地区に比べて、分があるように感じた。

川越は室町時代太田道灌の頃に町屋の原型が出来上がり、後に徳川時代の江戸八百八町のモデル都市となったと言うから、実に500年以上の歴史がある。

それに対して岡山の美観地区は徳川幕府が「天領」として江戸から代官を派遣したのがことの起こりであるから、川越小江戸に遅れること約200年ほど後に開発され、発展した町である。

小江戸・川越の象徴にもなっている「時の鐘」は現在、耐震工事のため見ることはできなかったが、それでも十分に小江戸を満喫できた。観光地としての完成度が高いこともあり、JR川越の駅員さんの観光の見学順路についてのアドバイスも慣れたもので的確で懇切丁寧だ。

また、「時の鐘」の場所がわからず困っていたら、町の人から声を掛けられた。工事用のスクリーンで囲まれた高い塔が「時の鐘」だと教えてくれただけでなく、「時の鐘は工事中で残念でしたね。また、いらっしゃい」と優しい言葉。

「菓子屋横丁」で昔懐かしいオレンジ色の小箱に入った塩昆布と、煙草のピースを模倣した紺色の箱に入ったココア・シガレットを買って、ふと、西の空を見ると綺麗な虹が掛かっていた。

虹を見たのも、塩昆布やココア・シガレットを買ったのも久しぶりだ。川越市小江戸は懐かしい風景と人情があふれた町だった。古き良き日本の原風景が残る町である。

東京都青梅市の赤塚不二夫会館

 

 

 

赤塚不二夫生誕80周年CD! これでいいのだーっ!!

少年漫画週刊誌の創刊の頃から、物心ついて以来、ずっと漫画を読んで育った世代である。小、中、高、大学とずっと漫画を読んで育った。当時、少年雑誌でギャグ漫画家のトップは赤塚不二夫(1935〜2008)だった。

「秘密のアッコちゃん(1962)」、「おそ松くん(1962)」、「天才バカボン(1967)」は有名だ。もちろん、2015年10月に「おそ松くん」がリメイクされた「おそ松さん」も現在大人気だ。まさに、世代を超えた人気を漫画家であるといえよう。

赤塚不二夫新潟県出身。戦後満州から引き揚げ、新潟で映画の看板描きをしたあと、上京してトキワ荘に住み漫画家デビューを果たした。そんな赤塚不二夫に関する豊富な資料でマニア垂涎の美術館、赤塚不二夫会館が東京都青梅市にある。

青梅市は知る人ぞ知る映画の町である。電車が青梅の駅に着き、プラットホームに降りると昔風の手描きの映画の看板が目に飛び込んでくる。プラットホームと改札口をつなぐ地下連絡道にも壁には、内外の映画の看板がずらりと並べられている。映画看板での町おこしをしている、というわけだ。

青梅市赤塚不二夫の生まれ故郷と言うわけではない。特に赤塚と青梅の繋がりはないそうだが、映画の看板描きだった赤塚不二夫をリスペクトし、映画の街を標榜する青梅市の有志が赤塚不二夫会館を誘致したらしい。

無関係な土地とはいえ、こうして昭和を代表するギャグ漫画家の遺品や作品群、関連書籍や写真、あるいは実物画稿をまとめて見ることができる資料館・美術館は貴重だ。展示物は実に見応えがあり、こういった記念館には厳しいネットでの評判も上々だ。

それもそのはず、青梅の街は、通りのそこかしこに懐かしい映画の看板が設置されるだけでなく、街全体が「昭和の街」として作られている。いわば、街全体が昭和レトロ記念館であるところもポイントが高い。街の作りとは無関係に、突然脈略もなく著名作家の記念館などがある観光地などとの大きな違いだ。

しかも、入館料大人450円、子供250円という価格が嬉しい。近くにある「昭和レトロ商品博物館」「昭和幻灯館」も合わせて、赤塚不二夫会館との共通チケット800円で観覧できる。公立の美術館やデパートの企画などでも有名漫画家の特別展が開催されることは多いが、チケット代は1500円ぐらいと案外高い。それを考えれば450円は激安だ。まさに「昭和価格」。

何よりも老いも若きもそこを訪れた人は、必ず「シェーッ!」のポーズで記念撮影をしているからすごい。なんという影響力だろうかと、驚きを超えて感心してしまう。

団塊世代でなくても、漫画好き、映画好き世代でなくても十分楽しめる。夏休み中の学生さんだって行ってみてほしい。今人気の「おそ松さん」グッズの物販もあるから。

「高校男女異種武道大会」の件について編集者からメールが来た。

金比羅さんのふもとにある香川県立琴平高校(共学)では年に一度、男女異種武道大会がある。剣道部(男子)となぎなた部(女子)が真剣勝負の試合をする。過去対戦成績は、なぎなた部5勝、剣道部2勝だそうだ。
薙刀部があるのは凄いね。さすがうどん県。昔からの女子校にしか残っていない部。
他の競技よりもはるかにインターハイ出場のチャンスがある競技なので、武道女子には狙い目です。
強くなるポイントは指導者の力量。


>格闘技は、大小、長短が勝敗を決めるから当然と言えば当然の結果だが、情けないぞっ!男子っ!

薙刀の軌道は読めないので厄介。竹刀とは全く違うから。
下半身(膝)への攻撃が有効打と認定されているので、そこの防御をどうするか。
中国では男の武器(張飛とか)だった。日本でも平安時代辺りでは主要武器(僧兵、弁慶)。
いつの頃からか、男は剣。薙刀は女の武器に。ま、槍っていう物もあるんだけどね。


>それよりか、教師に問いたい。こんな試合、やる意味あるのか!?GHQに言うぞ!(進駐軍の武道禁止令か。古いぞ。じじい!あっ!わしか。)
ははは。

〈まっパのボクに向かって妻が!〉


わが家の脱衣場から入浴剤がない~とまっパで取りに行ったら、妻が「ヒートテックになるよ。」と言った。
どうやら、『ヒートショック』と言いたかったようだ。
ユニクロか?お前は」と、お馬鹿な突っ込みをする私だった。