漫画家と銀行役員と警察官僚と言うのが立った三人だがボクの学生時代の友人だ。
昔、マージャンをした。一番強かったのが漫画家で、一番カモにされていたのが警察官僚だった。ボクと銀行役員は勝ったり負けたりしていた。
お歳暮代わりにうどんのセットを三人に送った。
警察官が一番早くお礼の電話をくれた。律儀だ。
銀行役員は翌日電話をくれた。
漫画家からメールで「もう、食っちまった。うまかった。」と言って来た。
三者三様でおもしろい。
家の女が華道を再開した。時間はごく短い。ボランティアだ。先生扱いされるのが快感らしい。清月さんと呼ばれていた。なんだ?とたずねたら、清月と言うのがお花を教える時の名前だとか。いつ資格をとったのだろう。
医科大付属病院で妻を検査に連れてきたが、駐車場に行ってる間に行方不明になった。
30分後、発見した時には、よそのおばあさんの車椅子を押していた。
家族に心配かけて何とも思わない。
朝から、おバカだ。
漱石の二百十日の冒頭に、六十余りの太った爺さん(わしかいっ?!)が毛抜きで一本、一本、髭を抜いている情景を見て碌さんと圭さんが、話し出す。自分の実家の豆腐屋の話や、華族や金持ちの横暴に憤慨したりする。うどんで腹をこわして宿の女中に粥をせがんで、腹痛が治るとまた、二人でけんかする。熊本まで来て阿蘇に登らぬ馬鹿がいるかと。
漱石の肥後の紀行文か、碌さん圭さんの弥次喜多道中記かと思っていたら、最後は漱石得意の漢文調でキチンと締めた。
二人の頭の上では二百十日の阿蘇が轟仝と百年の不平をかぎりなき碧空にはきだしている。
妻はMRIからまだ出て来ない。漱石の短編二百十日(タイトルは二百十だが、枚数は七十ページ余り。)は読み終えた。
長与千種(元レスラー、53歳、プロレス団体代表)が、夫婦喧嘩の仲裁に入ったところ、20代の男の不意打ちを受け、左手をはく離骨折した。警察は相手の男を暴行傷害の疑いで現行犯逮捕。
札幌でプロレス興行を主催ちうの長与千種氏、興業終了の打ち上げ後、深夜の繁華街で、女性( 加害者の妻 )に暴行する男( 実は女性の夫 )を見つけ、仲裁のため、男を取り押さえたが、男は「何もしない。」と従う素振りをいったん、見せたのち、長与氏の虚を突き、氏のかみのけ髪の毛をつかみ、顔面に膝蹴りを繰り返した後、氏の左手をねじり上げた。そのため、氏は左手の指をはく離骨折をした。
「蹴りを使うとか、反撃することもできたのですが、自分は元レスラーですから、そういうことをやっちまうと、相手と同じ( 暴行傷害犯 )立場になるので思いとどまりました。」と述べた。
53歳と20歳代、女性と男性ということを抜きにしても長与が本気になったら、容疑者はただでは済まなかっただろう。
長与は、ビューティーペアー以来の女子プロレスの伝統で、クラッシュギャルズと言う宝塚風女子プロレス・アイドルユニットチームを北村智子選手(リングネーム、ライオネス飛鳥 )と組まされたが、じつは、琉球空手出身のバリバリのガチンコレスラーだ。男とけんかが好きでプロレスラーになった武闘派レスラーだ。フライングニールキックや七種類のスープレックスが有名だが、それらの技は営業用で、膝蹴りや殴り合いが得意だ。
その長与が、反撃を封印し負傷しながら防御一方だったと言うのは容疑者男にとって不幸中の幸いだったと言うべきだろう。警察に逮捕されたが、男は長与に殺されなかったことを神に感謝すべきだ。