高校生の時、授業中、尊敬する人物は誰か?というアンケートがあって、


山本ケンちゃんは「横山寅吉」と書いた。



教師に「この人物は誰か?」と尋ねられ、山本ケンちゃんは、



「近所のおじさんで、『横山寅吉商店』の社長です。」と答えた。



教師に、「なぜ、尊敬するのか?」と聞かれ、ケンちゃんは、



「比較の問題です。」と回答した。



「誰と横山寅吉氏を比較するのか?」と問われ、



ケンちゃんは、



「あんたとだよ‼」と、教員を指さしながら、続けた。


「あんたと比べたら、横山寅吉商店のおっさんの方が百倍尊敬できるよ。」と言い放った。



教員は激怒し、「先生のどこが尊敬できんとや⁉」と怒鳴った。



「寅吉は正直やけど、あんたは嘘ばっかり教えとる月給ドロボーじゃねえか。」とケンちゃんは言った。


教師は、ケンちゃんをなぐった。ケンちゃんは教員の腹を蹴飛ばした。


教員は、教育委員会に呼ばれ、けん責、謹慎処分を受けた。


ケンちゃんは、転校した。


ケンちゃんは、翌年、東大に合格した。


今でも、年賀状が来る。


東大法学部を出て、三鷹の方で弁護士をしている。


他にも、高校時代、教師泣かせでいろいろ、やんちゃをしていたケンちゃん。


勉強しているすがたは、ついぞ、見たことがなかった。