ケイちゃんがいとこの牧場でサラブレッドの仔馬を見た。

「かわいい。」

思わず、仔馬を撫でようとしたら、いとこの秋男さんが叫んだ。

「ケイちゃん!危ない‼触るな!」

昭雄さんの叫んだのと母馬がケイちゃんめがけて突進してきたのが同時だった。

手を引っ込めて柵の外に出た時、母馬が怒りの表情でケイちゃんの目の前に来た。

大きくいななき、興奮した様子で母馬はケイちゃんをにらみつけた。

「ごめんね。貴方の大事な赤ちゃんなのに。」

ケイちゃんは、母馬の愛情の深さに感心してしまった。