おばちゃんがわざわざ、札幌でケイちゃんのために赤いスカートを買って来てくれた。日高に着いてからケイちゃんがずーっとおんなじ格好をしているのを気にして、札幌へ出た時にケイちゃんのために買ってきてくれたものだった。

 

「おばちゃん。ありがとう。でも、これはちょっとはけないな。あたしに似合わないし、、、、。」

「そうかい。よく似合うと思うけどねえ。」

「かあさん。だめだよ。若い子は赤いスカートなんかはかないべさ。」

 

いとこの由美子さんが助け舟を出してくれた。

由美子さんはケイちゃんのいとこといっても、ケイちゃんの母親くらいの年齢だ。いとこの由美子さんの子のエリちゃんとケイちゃんは同い年だ。


だから、「赤いスカート」の一件は母くらいの年のいとこの由美子さんが祖母くらいの年のおばちゃんをとりなしてくれたようなものだった。「赤いスカート」はかわいいと思うおばちゃんの考えは19歳のケイちゃんには通じていなかった。けれど、いとこの由美子さんはケイちゃんの気持ちをわかってくれたのだ。