出会った時はまだ十八歳だった。免許がないのに二輪に乗っていた。未成年なのに飲酒もした。性格は明るかったが、日々荒れていた。

転機が訪れたのは北海道のおばちゃん宅に遊びに行った時だ。
「あたしはやり直せるかな?」
おばちゃんは「あはは。」と声をあげて笑った。

「ケイちゃんはまだ十八歳だろ。やり直すもなんも、あんたの人生は始まったばっかりだべさ。」

そう言って、父の一番年長の姉は屈託無く笑った。おばちゃんはよく笑った。日高に嫁ぎ、長年暮らし、日高の自然がおばを明るい性格にしていた。まだ、十八歳なのに拗ねてる場合じゃねえぞ。

そう思うとケイちゃんは早く帰りたくなった。帰ったらやりたいことがいっぱいある。日高じゃあ、あたしは旅行者だし、ただの「お客さん」だ。もどったら、なんでもいいから逃げずに力いっぱい自分を試してみよう。