武蔵丸関によく似た女性がローカル線のボックス席を占領していびきをかいて寝ていた。

大相撲元横綱武蔵丸関のような女性が、ローカル線の中で四人がけのボックス席を一人で占有し、まるで像のように横たわっていびきをかいて寝ていた。なんだこいつ。朝の通勤電車の中で、他人の迷惑を考えろ。ひょっとして、やばい系のやつなんじゃないか?とかいろんなことを考えていた。

女性は電車が海峡を渡っているときに、突然目を覚ました。

「あれ~‼ここはどこーっ!?」と大絶叫した。

隣のボックス席に座っていたおじさんが親切に教えてあげた。

「海の上。」

聞けば、その女性は遊びに行っていた他県の始発駅から乗車して、いったん終点まで行ったが、眠りこけていて、終点から折り返しでまたもとの始発駅息の車内で目覚めたらしい。

びえーんと声を上げて泣き出した。優勝にむせび泣く武蔵丸関そっくりだった。