じいちゃんが亡くなって、告別式も終わった。
田舎のお墓の横の公園にくぬぎの木が何本かあった。
じいちゃんが亡くなったのはちょうど秋で、今頃のシーズンだった。
くぬぎのドングリが公園の地面一面に落ちていた。
それをボクの幼子たちがキャッキャッと、はしゃぎながら拾っていた。
兄弟はボクの妻にビニール袋をせがんで、二人ともビニール袋いっぱいにくぬぎのドングリを詰めて帰った。
兄が幼稚園で、弟は保育園に通い始めたころだった。
「来年もまた、ひいじいちゃんのお墓参りに来る人?」
とたずねたら、二人とも
「はーい。」
と両手を元気に上げた。
「わしが死んでも、時々はわしのことを思い出してくれよ。」
公園の地面にいっぱい落ちていたくぬぎのドングリは、まるでそう言いながら孫たちへのひいじいちゃんのプレ
ゼントだったような気がしてならない。
今年もまたじいちゃんの命日が来る。
兄弟は成長し、それぞれの幼子を連れてひいじいちゃんのお墓参りに行く。