ザ・プロレスラー34 ザ・シーク

ブッチャーの「ブッチャー:幸福の流血」自伝に「ザ・シークが亡くなった時に、同じホテルに泊まっていたテリーファンクがブッチャーの部屋にやって来て二人で死を悼み、テリーに至っては子供の様においおい泣きだした」と言う記述がある。

若い時は正統派のテクニシャンで、老いては火炎殺法を使うアラビアの怪人というギミック。そして、現役時代からデトロイト地区をメインにするアメリカでもっとも有名なプロモーターのひとり。昔のプロレスラーにとってはたいして珍しい事ではないが67歳過ぎてもリングに上がっていた。

リング上で腕にナイフを突き立てられおびただしい流血をさせられたテリーファンクと、仲間割れから火炎殺法で顔を焼かれたアブドーラザブッチャーの二人がザ・シークの死を悼み号泣したというのは、三人ともプロフェッショナルレスラーだったのだなあと言う気がしてなんだかうれしい。