知り合いの漫画家が美人ОLに声かけられて

知り合いの漫画家が駅にスポーツ新聞を買いに行った。

売店で新聞を選んでいたら、視線を感じるのでその方向を見ると、美人ОL風の娘が彼をジーっと見つめていたそうだ。

 

美人に見つめられる心当たりがないので漫画家が視線をそらし、スポーツ新聞を買って、立ち去ろうとすると、美人ОLはつかつかと漫画家に歩み寄り、彼の腕をつかんで、

 

「あ‼やっぱり、カンサイさんだ!久しぶり~‼あたしぃー!分かるぅー?」

 

とキャビキャビ騒ぐ。

 

(だ、だれや?お前なんか、知らんぞ。)

 

と、漫画家がビビっていると、

 

「監督ぅーっ!あたしぃー!小学校の時、フットベースのチームで監督一緒だったシズカですけどぉーっ!」

 

漫画家、思い出した。見違えた。泣き虫、ヘタレ、顔真っ黒の小学生が、こんなになるとは‼

 

「ああ、シズカかあ⁉ぜんぜん、分らんかった。美人局か、ツボを買えと言われるか思てた。」

   

        ★       ★     ★

【よその子は育つのが速い】