死者も出た日大闘争【当局と体育会は結託して五十年間も悪行を続けていたのか。】

 教育ジャーナリストの小林哲夫氏の記事のコピー

50年前の日大闘争に怒り再燃 「相撲部員だった田中英寿理事長に押さえつけられた!」

 

林哲夫dot.#日大

 

元日大全共闘メンバーが都内の公園に集結。現・日大理事長の退陣を訴える(写真・小林哲夫)

元日大全共闘メンバーが都内の公園に集結。現・日大理事長の退陣を訴える(写真・小林哲夫

 

日大闘争中の文理学部キャンパス(東京・世田谷)。ハシゴをかけて上がる警官隊(c)朝日新聞社

日大闘争中の文理学部キャンパス(東京・世田谷)。ハシゴをかけて上がる警官隊(c)朝日新聞社

 日大がアメフト部問題で揺れるなか、元日大全共闘が集まることについて、警察も気になっていたようだ。同窓会主催者の1人と、警視庁神田警察署警備課とでこんなやりとりがあった。

警察 ネットで「拡散・日大全共闘が錦華公園からデモをやる」みたいなのが広がっているが、どうなのか。東京都の公安条例で不特定多数の者が集まって集会を開くときは、屋内外を問わず集会届が必要だ。

元日大全共闘 昔を懐かしむ年寄りが、錦華公園で待ち合わせをして同窓会(懇親会)会場のYMCAアジア青少年センターに行くんだ。「50周年の集い」は集会ではなく、懇親会です。
 
 日曜日ということもあり、錦華公園からYMCAアジア青少年センターまでの人通りはほとんどない。警察は「移動に際しては、プラカード・旗は禁止」の旨の話をしたようだが、旗を振りかざしたヘルメット姿の参加者を見ることができた。

 YMCAアジア青少年センターで始まった同窓会では、明治大、専修大、芝浦工業大、中央大、早稲田大、東京教育大(現・筑波大)の全共闘など元活動家からの挨拶があった。旧交をあたためあうシーンも見られたが、元日大全共闘副議長のこの言葉は場内をシーンとさせた。

「このところ、仲間が亡くなってお別れの会に出る機会が多くなった。さびしいものです」

 1968年当時20歳の学生だったことから、参加者の平均年齢は70歳以上になる。鬼籍に入る元日大全共闘メンバーが出てきても不思議ではない。なお、元日大全共闘議長の秋田明大さんは当初、出席予定だったが、日大アメフト部問題で注目されるのを避けて欠席している。

 同窓会で、もっとも大きな拍手を受けて、参加者を感涙させた挨拶があった。今年、日大を卒業したばかりの20代前半の若者の言葉だった。

「田中理事長は日大をどんどんダメにしている。日大の学生、日大出身者、日大全共闘と一緒に田中理事長退陣を求める運動を行っていきたい」

 元日大全共闘は声明を発表した。

「わたしたちの闘いは、一度は勝利したとはいえ佐藤発言を突破できず『古田体制』を残してしまいました。それが50年後の現在まで、日大の暗黒支配をそのまま維持させた原因と考えています。今、わたしたちが田中理事長以下全理事の退陣を求める理由です」
(「佐藤発言」とは、当時の佐藤栄作首相が日大全共闘との交渉「大衆団交」の内容を認めないと話したこと)

 また、声明では日大アメフト部員についてこう記している。

「たった一人で真実を明らかにしたアメフト部M君の勇気に、あらためて敬意を表します。わたしたちは、彼に対する不当な圧力や不利益が及ばないことを願っています」

 日大アメフト部問題は、元日大全共闘に火をつけてしまったようだ。

(文・小林哲夫/教育ジャーナリスト)