父 力道山 百田兄弟著

1983年初版の「父・力道山勁文社刊。日本プロレスの父力道山の実像に迫る。実子であるがゆえに見えた人間力道山の人生。
今から36年ほど前に初めて読んだ時にも、過去に出版されていた力道山本と重なる部分もあったが、実子と言えど、力道山のすべてを知っているわけではないため、それまでの書籍からの引用もあるのはやむを得ないが、ボクが興味を持ったのは力道山の起業家、実業家としての部分である。

そもそも、力道山にプロレスとの出会いのきっかけを与えたのは、ハロルド坂田と言われているが、この映画俳優兼レスラーの晩年は経済的には困窮していたようだ。
ボクは、ハロルド坂田本人とは知らずに、彼が亡くなる前の年に彼に会っている。
ハロルド坂田が生きていたら、百田兄弟の著作に記されている力道山のレスラーとしての、また、起業家、実業家としての生きざまについて、あれこれと詳しく聞くこともできたはずなのに。
あの時代を生きていて、そういうチャンスがあったにも関わらず、知らずに過ごしてしまった。かえすがえすも残念でならない。