< 力道山先見の明 >

アメリカでテレビジョンを見た時に力道山が考えたこと 。

まず、テレビジョンの伝播能力、広告価値の高さに着目した。

そして、自分の得意領域は格闘技で、それをアメリカのプロレスに倣い、日本人に受けるようにどのような興行形態をとればよいのか。

そのための人脈や資本導入はどの方法を使えばよいのか。

そして、己の年齢。立ち位置。事業構想。次々と頭を巡らしたに違いない...

 

詰る所、力道山グレート東郷も同じこと考え、やろうとしていたに違いない。単純に金儲けと言ってしまえばみもふたもない。あえて、きれいに言うと「夢の実現」、「己の理想の追求」である。

理念と情熱があり、環境も世情も彼に味方した。

 

 

しかし、残念ながら、力道山の時代の人々が育てたプロレスは約70年続いたがやがてそのうちにフェイドアウトしていくだろう。

体力や見た目の派手さ、喧嘩強さ、レスラーとしての資質で力道山を超える選手は出てきても、プロレスの生かし方で力道山に勝る人はもういないだろう。

力道山が死して60年近くたつが、そういう人はもう二度と現れない。昭和、平成と続いた日本プロレスの灯はやがて消えようとしている。悲しい。