今回は偽の不動産融資の手口に引っかかった支店長役の福山さん。まさに、取引の当日に気づいた副支店長の香川照之さんの機転によって被害を未然に防ぐことができたという筋立てながら、見ていて疑問に思ったところが三点。


先ず一点目、いくら一流企業からの注文とは言え、裏を取らずに融資を決断するという点が変だ。支店長の独断で、調査もそこそこに、相手のいいなりで、融資予約をしているようなもの、日本全国、どこの銀行、はおろか、信用金庫を探したって、こんな脇の甘い支店長はいないと思う。


二点目、詐欺師が、正体がばれた瞬間に土地代金の印字された銀行振出小切手をつかんで逃げ出そうとする。すると銀行員が飛び掛かって詐欺師に追いすがる。
ここまでは良い。あとのセリフがおかしい。小切手を渡さないぞ、死んでもこの手を放さないかなんか言って顔を蹴られて鼻血を出している。
相手を捕まえようとしたのならわかるが、現金ならまだしも銀行の振出小切手なんか、取られたって痛くもかゆくもない。出金禁止をかけて、事故小切手にするだけですむはずだ。また、そんな詐取した盗難小切手を取り立てに回すバカな犯人はいないはずだ。足がつくだけだ。怪我させられてまで、小切手を取り返す必要はない。


三点目蒲田支店が配転になるという週刊誌の記事を読んだ近隣住民が大挙して押し寄せ、

「この支店が閉鎖されたら我々の生活に影響する。みんなで預金して支援するから、何とかこの支店を廃店にしないようにお願いする。」

という意味のことを言う。

5、60年前の銀行ならともかく、現代の顧客はこういう考えはない。銀行の三大業務は、預金と為替と融資。あと、しいて言えば公共料金の口座振替くらいだが三大業務はすべてネットで間に合うし、公共料金だって近くのコンビニ決済で事足りる。借入金利をただにしてくれるというなら、別だが今は銀行の支店が近所になくても誰も困らない。



とここまで書いて思い出したのだが、江波戸哲夫先生の書いた原作本は、ずいぶん昔のもので、池井戸潤さんの半沢直樹シリーズや花咲舞シリーズより、ずっと古いのだ。

それを下敷きにテレビドラマにした以上、この展開は仕方ない。その点を考えながら、大好きな福山雅治さんの銀行支店長役の演技だけを見れば結構楽しんで見られる。