ボクは大阪で働いていた頃、
さる内航貨物船会社の社長と知り合った。
名前は、大和さんと言った。
若い時、戦艦大和に機関士として乗っていた。
命が助かったが二千数百名の上官・戦友が戦死してしまったことを悔やんでいた。
毎年、戦友たちの命日には彼らが散っていった海に出向いて行って供養をしていた。
優しくて面倒見があって男気のある人だった。
ボクが仕事で失敗して首になりかけた時、救ってくれた恩人でもあった。
ボクは大阪を離れてずいぶん経つが、今でも大和さんが語ってくれた
戦友たちとの思い出話をときどき思い出してやるせない思いがする。