浩一少年は、五千年ものも間、彼を待っていたバベルの塔の使者に乞われ三つのしもべと共にヨミとの戦いの世界に、いざなわれていく。家族とごく普通の生活を送っていた浩一君は自らの使命を悟り、旅立つ決意をする。
「浩一 家をでていくなんて
へんなことをいわないでおくれ
わたしたちにとって
おまえはただひとりの子どもなのよ」
母の言葉に浩一君はこう答えた。
「かあさん それはよくわかって
いるんだ
でも千年も二千年も
いや もっと以前から
ぼくを待っていた人がいるんだ」
バベルの塔をめざし旅立つ悲しいシーンである。
☆ ☆
青森の中学を卒業して新日本プロレスに入団した船木誠勝少年にも悲しい別れがあった。プロレス入りに反対の母親と何日も話し合い、とうとう最後に言う。
「人生が二回あったら、二回目はお母さんの言う通りにします。だけど、一回きりの人生だからわがままを許してください。」
決心して故郷を出た船木少年、15歳の旅立ちであった。