「戦争のあとの焼土に咲いたひまわりのように美しく、そして当時の日本の少女のほとんど全員の胸をときめかした熱狂的なアイドル画家
中原淳一の名前を知る人が少なくなった。
中原淳一に対する芸術的評価は
竹久夢二よりも低く単に甘い絵として黙殺されることが多いが果たしてそうだろうか。抒情は今踏みにじられている。世紀末の暗雲は世界中に広がって美しいものはむしろ軽侮されている。決して回顧的な感傷だけでなく、もう一度、
中原淳一の絵と、その仕事を再評価する必要があると思う。その絵のつぶらな眸は何かを訴えかけている。」