荒木一郎さんに謝ってしまう

いよいよ、「まわり舞台の上で」の第七章では、演技について荒木一郎さんが語っている。

ボクは、ここで「ごめんなさい。」と、荒木一郎さんに謝ってしまう。昔、大根なんぞと、勝手に思ってごめんなさい。荒木さんの演技は深い。重い。ぼーっと見てはいけない。殺される役、変質者っぽい役、障害者っぽい役、すぐヘタレる役、全部、計算ずくだ。歌と同じで、よ~く考えて練って作られている。何人もの監督、演出家、プロデューサーが、荒木さんに発した言葉がそれを裏づけている。荒木さんはよく、「現場で揉めた。」と言う。それは、単なる演技者を超えたアクターとしての矜持が、私的権力である現場長(監督、演出家、プロデューサーなど)に対して、観客や視聴者に最高の自分の演技を見せたいと言う気持ちのあらわれなのかも知れない。とにかく、ボクごときが評価したり、彼の作品についてあれこれ語っていい役者さんじゃあない。
友人の娘さんに女優がいるが、この荒木一郎さんの「まわり舞台の上で」は、きれいに読んだら、彼女に進呈したい。少なくとも、第七章の感想はボクごときが語るべきではない。
そして、今一度、荒木一郎さんの映画やテレビドラマが見たくて、DVDを買いに行こうと考えている。