ああ、涙のプロレス漫画‼ 〈原作高森朝雄(梶原一騎)、漫画つじなおき、ジャイアント台風、タイガーマスク〉

昭和59年(1984年)12月1日に、少年画報社から初版単行本の出た「ジャイアント台風」価格370円也、が今、私の手元にある。
原作高森朝雄、漫画つじなおき。34年の時の移ろいを経て、原作者も主人公のモデルも、もう、この世にいない。無情の感を禁じ得ない。原作者高森朝雄梶原一騎の本名だ。「ジャイアント台風」と言うのはジャイアント馬場選手のプロレス人生の前半をストーリー化したものだ。
そして、この頃同時期に、この原作者と漫画家のコンビは不朽の名作「タイガーマスク」(ぼくらマガジン、少年マガジン連載)を世に送り出すことになる。
 
週刊「少年キング」には実在のプロレスラーの漫画「ジャイアント台風」が連載されたことで、力道山亡き後のプロレス界の活性化にも一役買った作品と言えよう。単行本が出る16年ほど前のことだった。つまり、昭和43年(1968年)にこの二つのプロレス漫画は初めて世に出た。今から50年前のことである。

キレイだが、躍動感に乏しい、つじなおきの漫画のタッチと高森朝雄(梶原一騎)の説教口調風のト書きが、クラシカルだが、今読むと、むしろ、新鮮で読者の私は昭和の古き良き時代の少年に戻って涙してしまう。