東京読売巨人軍立教大学から長嶋茂雄が入団した。

六大学のスターだった長嶋はテレビ、新聞、雑誌の取材を受け、時代の寵児として、

プロ球界でもスターとして華々しくデビューした。

晴れやかなプレーと明るい性格、屈託のない笑顔、男らしい立ち振る舞いで、

長嶋茂雄は瞬く間に日本プロ球界のトップスターとなった。

 

映画やテレビドラマ、少年向けの漫画雑誌にもたびたび登場した。

あるとき、少年漫画雑誌に長嶋茂雄選手が実名で登場した。

架空のストーリーだが、ある誘拐事件に巻き込まれた長嶋選手が、

犯人一味と相対し、被害者の少年を救い出したところへ警視庁のパトカーが

大挙して現れ、犯人一味を一網打尽にする。

その日はナイターで後楽園球場で巨人ー阪神戦が組まれていた。

犯人一味から少年を救い出そうとしていた長嶋選手は当然試合に遅刻する。

警視庁の刑事が気を利かせ、パトカーのサイレンを鳴らし、後楽園球場まで

長嶋選手を連れて行く。

 

試合は九回の裏、ツーアウト満塁、スコアは阪神3点ー巨人0点

ここでホームランが出れば、巨人の逆転サヨナラ勝ちだ。

グランドに飛び出す長嶋!代打を告げる川上哲治監督!

 

バッター長嶋打席に立つ!阪神のピッチャーはザトペック村山実

村山渾身の剛速球‼長嶋思い切り振りぬく‼

ホームラン‼代打逆転サヨナラ満塁ホームラン‼

 

長嶋の劇的なホームランを絶叫し中継するアナウンサー。歓喜する大観衆。

 

 

今は昔の話だが、 

燃える男長嶋茂雄ミスタージャイアンツの誕生のころの

少年漫画週刊誌の一コマである。

 

 

この漫画誌が当時創刊されたばかりの少年マガジンだったか、少年サンデーだったか、

私は忘れた。ご存知の方がいたら、ご教示願いたい。昭和三十年代の初頭、プロ野球は輝いていた。戦後の復興日本も高度経済成長期に向かってまっしぐらに進もうとしていた。