御茶ノ水の駅を降りて警察官の知人と会って飲んだ。

親しい友人だが語り口がどうも尋問口調である。


ここへ来る前に初めてニコライ堂湯島聖堂神田明神に行ったと話したら不思議そうな顔をした。


学生時代とその後と十年も東京に住んでいてなぜ行く機会を持たなかったのかと訝る。

興味なかったんだろうと答えたが信用しない。


彼の最大の疑問は、きみは東京にいて学問をするわけでなく、仕事をするわけでなく、いったい、どういう生活を送っていたのかと言う事であった。

無産者は彼の頭の中には理解しがたい不思議な存在らしい。

今日は深酒はやめようと思った。

ボクの謎の東京生活や不思議な十年間のアリバイを調べたくて仕方がないらしい。