ケイちゃん十九歳、刺身定食と北海道

札幌のおばちゃんが海鮮丼の店に連れて行ってくれた。

「ケイちゃん。うにイクラ丼、食べる?」

「うち、刺身定食がええわ。」

「……?」

瀬戸内育ちのケイちゃんには、うにイクラ丼はあまり馴染みがない。

ケイちゃんにとっては刺身が御馳走に思えるのだ。

(この子は遠慮してるのか?)

と思ったとおばちゃんは後に話してくれた。