男はみんなプロレスラー1982/10村松友視著

男はみんなプロレスラー
男はみんなプロレスラーって、極端なタイトルだけど、昭和の最後半の大プロレスブームのころだから、立派に通用してたんだ。こういう言い回しが。

そういえば、プロレスは地上波でゴールデンタイムの放送だった。今はそうじゃない。

例えば、シェーッ‼と叫べば、世間のほとんどの人には、良い悪いは別にして通じていた赤塚不二夫のあの漫画のギャグと同じように、プロレスも、リアルかフェイクかは別にして、ちゃんと通じていた。今は残念なことにそうじゃない。

この直木賞作家のプロレス本は複数あるが、当時は読んで面白かった。私、プロレスの味方ですなどと言うタイトルからして、面白かったが、今はそうじゃない。
テレビの地上波から消えたプロレス番組に似てどこか、見ていて覚めてしまう自分がいる。

ブームが去ったからだろうか?レスラーもファンもプロレス物書きも歳を取る。熱は、いつか冷める。昭和の終焉と共にテレビのプロレス番組は地上波から消え、男はみんなプロレスラーとは言えなくなったのだろう。まさに時のうつろいを感じてしまう。

昭和40年男 増刊号「昭和プロレス大全」