ご苦労様でした。吉田光雄さん。長州力の看板を44年もの間、守ってこられて。好敵手天龍源一郎さんとは違った意味でのミスタープロレスと呼んでいいだろう。
純烈の酒井さんにとっては長州力は初めて身体にさわったレスラーだったらしい。初めて見て触れて強く雄々しいプロレスラーとして認識したのが、長州力だったわけだ。
初めてといえば、日本人レスラーのマイクパフォーマンスで、レスラー自身がレスラーに向かって呼び掛けてのは、長州力が藤波辰爾に使ったのが初めてだったらしい。
アントニオ猪木も、大仁田厚も、ラッシャー木村も、マイクパフォーマンスは、観客に向けてのものだった。
アントニオ猪木は、「どうですかー!お客さんー!」とか、
「元気ですかー!」と言っている。
大仁田厚は、客に向かって、
「これが、オレの、オレの、オレの、生きざまじゃー!!」と、連呼絶叫する。
ラッシャー木村は、律儀に、
「こんばんは、ラッシャー木村です。」と、大観衆に挨拶してしまう。
日本初の対レスラー用のマイクパフォーマンスを反芻する。
「藤波ーっ!オレはお前のかませ犬じゃーないぞーっ!!」