大漫画家インタヴュー連載開始①<同郷青柳裕介先生について聞いてみた>

まぐろ土佐船(2) (ビッグコミックス)

面識は全くありません。ただ、八王子友人の嫁さんがファン第一号だったとかで、話は色々と聞いています。
青柳さんがCOMで入賞(だったっけ)デビューをしたことをきっかけに、板前を辞めるのですが、無理がたたって病気になって入院したとか。板前ではそこそこの稼ぎがあったのに、漫画では喰って行けない。青柳さんの心に迷いが…。
 そこにファンを名乗る女子高生が見舞いに訪れた。それが友人の嫁さん。青柳さんは感動して、色々迷いもあったけど、ここで漫画家として生きて行く覚悟を決めた。オーバーな言い方をするとそんな感じだったらしいです(伝聞の伝聞)。
なもんで、友人の嫁さんは少女のころから、青柳プロのお正月会にはいつもお呼ばれして、お小遣いも貰っていたらしい。後には彼女のご主人や家族も御招待されるようになっていたとか。

 それにしても、青柳さんのデビュー作からその後しばらくの作品は、どれもこれも暗い、しかも性的に問題のある主人公を中心の作品ばかりなんです(これ知ってる読者は相当のマニア)。
 

六尺ふんどし (2) (コミックトム)

女敵き討ち

陽炎 (現代漫画家自選シリーズ(30))

あの頃唄ったあの歌は・・ 青柳裕介作品集2 <奇想天外コミックス>

ゼンマイ仕掛けの犯罪白書(2)

それを読んでファンになったという彼女、凄いです。ま、かの有名な〇〇商業の大監督の孫ですからねぇ、彼女は。高校時代は漫画サークルを立ち上げていたし。ちなみに私も創立メンバーの幽霊同好会員です。

 わたし的に青柳作品は「中年男の子守唄」みたいなシリーズが好きです。「メンソレの涙」とかね。売れっ子になってからのメジャーな「一本釣り」や「はるちゃん」は今イチかな。
 

土佐の一本釣り(1) (ビッグコミックス)

土佐の一本釣り(25) (ビッグコミックス)

土佐の一本釣り (8ノ巻) (スーパービジュアル・コミックス)

「鬼やん」は青柳さんの原点みたいなものが色濃く反映されてますよね。少年漫画だから、それを凄く意識して描いている。子供のまんま大きくなったみたいな(青柳さん高校に行ってない…はずです)。そういう世間知らずなところが凄く良いですよね。大卒には絶対に描けない叩き上げの魅力。

土佐の鬼やん 11巻

 


 そして、青柳さんは本当に弟子の面倒見が良かった。私の知ってる範囲では弟子同士も仲が良いし、先輩後輩の関係も最高。これは師匠の育て方の賜物です。東京に出て来た後輩達の面倒を見た、一番弟子間宮青児氏の人柄もあるんでしょうが。

 
(ええ話や。大漫画家の話はまだまだ続く。)