キラー・コワルスキーに取りついたユーコン・エリックの呪い

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ルーテーズの愛弟子で長身の好男子がいた。実力派でクリーンファイトに徹していたが人気が出ない。日本に遠征した時、ヒールを演じて見せた。ブッカーの力道山に認められキラーコワルスキーで売り出すとみるみる内に悪役人気が出てメインエベンターとなる。

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得意技が二―ドロップで、ある時レスラー仲間のユーコン・エリックと対戦し、誤ってエリックの耳を削ぎ落してしまった。

エリックはこれを苦にして離婚の末、ピストル自殺してしまった。

 

この事実に梶原一騎先生が有名なエピソードとして書き加え、日本では通説として広まった「ユーコン・エリックの呪い」説と言うものがある。

ユーコン・エリックの事故後、コワルスキーはそのことを大変気に病んで以後ステーキを食すると吐くようになってしまった。削ぎ落されたエリックの血まみれの耳がリングの上でぴくぴくと動いている情景がコワルスキーに取りついてしまった。

肉食もリングに上がることも叶わなくなってコワルスキーはどん底の生活に落ちてしまう。

その生活に耐え忍んだコワルスキーは菜食主義者となり、プロレスラーとしてカムバックしてからは以前のような筋肉の鎧のような体ではなくなったものの、いつも妖気漂う凄みのある悪役に変貌してしまった。

 

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流智美さんがコワルスキー本人に、日本で巷間伝わるところの梶原先生のユーコン・エリックの呪い説を確認したところ、呵々大笑して「誰がそんな出鱈目を言ったんだ?」と言ったという。

本人の弁によるとベジタリアンになったのはダイエットの為であった。