柔道一直線の凄い影響

柔道一直線5 (マンガの金字塔)

講道館梶原一騎先生に感謝状を贈ったというニュースが話題になった。当時、少年キングで連載中の柔道漫画柔道一直線」がテレビで実写ドラマ化され柔道ブームが起きて全国で柔道の普及に貢献したと言うのが講道館の感謝状の理由であった。

 

私は中学生だったが新入生が15人も入部してきた。2年生からも5人の入部希望者があった。変わり種だが3年のバスケット部のキャプテンと野球部の3年で正捕手だった男も入部希望してきた。

バスケのキャプテンは県大会の優勝チームのポイントゲッターを務めた人で小柄だが運動神経抜群で女子に人気の学校のスターであった。

野球部の正捕手は中学県大会のホームラン記録を持っていて怪力の大男であった。

二人とも残り一年を切った中学生活の残りを柔道に打ち込みたいと言って来た。

 

担当教師は大喜びでこれで地区大会、県大会で優勝間違いなしと舞い上がっていたが私の聞くところによると地区の各中学で有望選手や体力に恵まれた新入生が続々と入部しているとのことであった。

 

そのくらいテレビと漫画の柔道一直線の影響力は多大であった。

 

バスケ部OBと野球部OBは入部一か月後、地区の他校複数チームとの定期戦に白帯のまま出場した。

バスケ部OBはバスケットで鍛えた身体能力の高さを発揮して軽量だが相手の技を寄せ付けず無差別個人戦で準優勝した。(決勝では経験不足の優勢負けで遂に相手に一度も投げられることなく大会を終えた。)

野球部の元正捕手は団体戦に出場したが決勝戦含めた五回戦すべての先鋒で五人抜きをした。25人に全て一本勝ちをした。

 

しかしこれはたまたま私のいた中学に天才的選手が二人入部したためであり、各中学とも柔道部は人気の運動部で大所帯だったようだ。全て漫画とテレビの柔道一直線のおかげである余談だが元バスケ部は高校大学と柔道を続け後に国体に出場した。

元野球部は高校では野球部に戻り甲子園出場を果たした。

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