漫画家と宝くじの話

ある時、親友の漫画家から電話があって「お前、宝くじなんか買うの?」と質問された。

 

その時は買ってなかったので、「めったに当たるもんじゃないと思っているので買わない。」と返事した。

 

「俺は一度も買ったことがない。好きじゃないんだ。馬券とか宝くじとか自分で努力すしても当たる確率が高くなるとかじゃないしな。ああいう他人任せのは嫌いだ。まだ、麻雀とかパチンコとか自分で手を下して負けても自分のせいだと納得がいく奴の方が良い。」そう彼は話した。

その日の夕方かみさんから出先に電話があって帰りに宝くじ買って来てと言われた。

 

「当たるわけないのになあ」私はぶつぶつ文句を言いながらそれでもかみさんに言われた通り、ジャンボ宝くじバラで10枚三千円分を買って帰った。

 

買って帰ったがそのまましまい込んで忘れていた。一か月経過してふと思い出した。

PC見ながら当選番号をチェックしていたら一枚五万円のが当たっていた。

その翌日、親友の漫画家に電話して謝った。

 

「すまん。一か月ほど前、宝くじは買わないって言ってたけどあの日の夕方買ってしまった。そして、そのうち一枚が五万円当たってた。悪いな。嘘ついたみたいで。」

だが、彼は覚えていなかった。

「えっ?そんなことあったっけ。」・

 

 

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