まだ家にテレビがなく貸本漫画が娯楽だった

墓場鬼太郎(1) 貸本まんが復刻版 (角川文庫)

初めて見た漫画は貸本漫画であった。

墓場鬼太郎も近所の貸本屋で初めて見て非常に怖かった記憶がある。

兄弟について貸本を見に行っただけでまだ字が読めなかったころだと思う。

何と書いてあるのかわからないだけに水木先生の絵が余計迫力があって

恐ろしく感じてしまった。

 

そのころ見た漫画で今も忘れられない漫画がある。

推理物でスリラーもので幼い自分には理解するのがまだ無理であったが

そのシークエンスごとに妙に心に残っている。

作者もタイトルも分からない。吹き出しの中のセリフも分からない。

ストーリーも理解できていないが心に残っているのは主人公が強くてかっこよくて

正しかったからだろう。

三歳年上の兄弟が漫画を読んでボクに言い聞かせたり説明したりするのに

余計なお世話自分で読めるからと泣いていた記憶もある。

あの漫画はつげ義春さんの初期の貸本漫画のいずれかだろうという気がする。

根拠はないのだけど。

これからもあの心に残る漫画を探していくだろう。見つけられるまでずっと。

新版 つげ義春とぼく(新潮文庫)