本書掲載分は、以下の四作品です。
①「カメレオン部隊」(2004年)さいとう・たかを68歳の時の作品。
②「乳白の闇」(1996年)さいとう・たかを60歳の時の作品。
③「TATTOO・刺青」(2007年)さいとう・たかを71歳の時の作品。
④「見えない軍隊」(1987年)さいとう・たかを51歳。
①「カメレオン部隊」(2004年)は目に見えない敵に対するゴルゴの秘策は?奇想天外なストーリーも、絵も秀逸で油の乗り切ったさいとう・たかを68歳の時の作品。
②「乳白の闇」(1996年)はさいとう・たかを60歳の時の作品で、想像するに劇画工房以来の流れをくむチーフに、東郷の表情以外のキャラクターのすべてを任せた作品のように思慮します。非常にきれいな絵です。
③「TATTOO・刺青」(2007年)さいとう・たかを71歳の時の作品でアシに任せたところ汚い、間抜けな絵になってしまったようです。ゴルゴの表情もところどころトレースに失敗してデッサンの狂ったまま絵にしたような感じなっていて不満が残ります。
④「見えない軍隊」(1987年)連載開始から9年目の作品でさいとう・たかを51歳。ソ連最強で姿の「見えない軍隊」をゴルゴがあっという間にせん滅してしまう。4年後にはソ連自体が崩壊してしまう象徴的作品。さいとう・たかを先生の真骨頂を見る思いです。
第三篇の「TATTOO・刺青」(2007年) の絵の汚さに興ざめしてしまう。
特に②「乳白の闇」(1996年)の絵のうまさ、構図の見事さ、キャラクターの表情のリアルさの後だけに興ざめしてしまう。
それと小学館版のコンビニ廉価本には脚本家の名前が入っていないのも値打ちがない。
だから2021年9月さいとう・たかを先生の御逝去とともにゴルゴ13シリーズも終焉を迎えたと思っています。