「すみませーん‼今、母と妹がこっちに向かって走ってるんで。」

ケイちゃんは、そういって電車の運転士に待ってもらった。
田舎の在来線の運転士は、お人好しで発車を遅らせてくれた。
今だったらとても無理だ。

その時、ケイちゃんは高校二年生。十七歳だった。BlogPaint