あしたのジョーの名脇役たち

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あしたのジョー終戦は世界バンタム級タイトルマッチ。

相手はホセ・メンドーサ

日本武道館に詰めかけた大群衆。

その中にウルフ金串とゴロマキ権藤が仲良く同道している。

いつ和解したのだろうか?

この時点でも二人とも反社会的勢力のメンバーなのだろうか?

知らんがな。そんなこと!

 

 

☆        ☆

 

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それとこのタイトルマッチのセコンドについている青年。

丹下ジムの河野( こうの )くん。

茅ヶ崎出身の元不良で、腕に自信のヤンキー上がりだったが、

ハリマオ戦前のスパークリングでジョーに二秒でノックアウトされた。

 

長いことボクは彼を今野( こんの )くんと思っていた。

今日、原作を読みボクの間違いに気づいた。

そこに愛はあるんかの人と同姓ではない。

『銀行員・横山光輝』「超絶レア」コレクション収録 ( 半沢直樹は出てきません。念のため。)

 

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横山光輝
「超絶レア」コレクション収録一覧

『オレとおまえ』

『城と太陽と名探偵』

『長征』

『怪物』

走れメロス

『まんが浪人』

☆        ☆

光プロと潮出版社のあとがきに「1970年代に発表されたものの中で単行本未収録の

レアものを集め『復刻版』とはせず、原画の復元と言うよりはデジタル処理のプロを集め『蘇生』につとめた。」との記載がある。

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ボクの大注目は『まんが浪人』別冊少年ジャンプ( 集英社 ) 1974年7月号掲載分である。

漫画家になるまでの横山光輝先生の「職業遍歴と青春の彷徨」が描かれている。

ボクがこれまで一番知りたかった横山先生の自伝・告白漫画だ。

横山先生が銀行出身の漫画家だと知ってボクは学校を出て銀行に就職した。漫画家にはなる気はなかったんだけどね。

才能も根性もないし。其れは分かってたからな。

 

でも、今回失望した。

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横山先生、三ヶ月で銀行辞めてるやんか!

ボクは横山先生に憧れただけで銀行に37年も勤めた。後悔。早くやめりゃよかった。

原水爆!大警鐘!!白土三平『消え行く少女』と横山光輝『オレとおまえ』

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20157平凡社から『 原水爆漫画コレクション③焔光( えんこう )』税別2800円

テーマも価格もかなり重い。その本の中に白土三平さんが1959年( 昭和34年 )に

日本漫画社から出した貸本漫画『消え行く少女』前後編二巻分が収録されている。

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白土三平さんの原水爆漫画というレアものに興味があって手に取った。一気に読んだ。

260ページ、貸本屋単行本前後二巻分だが、あっという間に読んだ。寝ころんでいたが11ページ辺りで正座し直した。

まじめに読んだ。今も心に作品の残像が残る。

 

 

   ☆       ☆

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横山光輝「超絶レア」コレクションに収録されている『オレとおまえ』。「中一時代」

旺文社1970年7月~1971年3月号に連載されたものだが被爆二世の苦しみをテーマにしたもの。

 

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読んでいて目が離せないが痛々しい。主人公の短い人生と、心の闇、体の痛み、、苦しみが伝わってくるような思いがした。作者の中学一年生に対するメッセージ文がこの収録本からカットされていて悲しい。合わせて読みたかった。漫画部分191ページ、時のたつのを忘れていた。

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『リボンの騎士』昭和29年12月初版発行 定価130円 大日本雄弁会講談社

 

第1話 王子と天使

手塚治虫先生の『リボンの騎士』を読んだ。

2009年1月に株式会社講談社から出た完全復刻版『リボンの騎士』(少女クラブ版)。

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昭和29年12月初版発行、定価130円、社名が大日本雄弁会講談社と言うのも泣ける。66年の時の移ろいを感じさせる。

 

 

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サファイア姫を模したゼンマイ仕掛けの人形が語りだすこの場面が『リボンの騎士』の物語のスタートである。

 

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手塚治虫先生が若い。医学博士である。

 

 

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チンク( 天使 )の実写が小鳩くるみというのもすごい。

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当時の単行本や貸本の表紙の絵は作品の作者とは別人が描く場合が多かったみたいです。悪い慣習です。さいとう・たかを先生はそれが大嫌いで大阪の日の丸文庫の表紙の絵かきジジイと大ゲンカしたらしい。ジジイに嫌がらせをされたがさいとう先生は自分の作品の表紙(扉)は全部自分で描いたという。

手塚治虫先生は自筆だね。

大感動!『ジャングル大帝』手塚先生70年前の作品

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手塚治虫先生の復刻版『ジャングル大帝』は小学館クリエイティブより2010年3月に初版本が税別2000円で出版されている。

 

底本は『漫画少年』(学童社)1950年(昭和25年)11月~1954年(昭和29年)4月号に連載されたものである。

 

ボクは先年、非常に失礼な主張をした。誰に対してかと言うと、手塚治虫さん、ウォルトディズニーさん、山川惣治さん、それぞれのファンの人たちなど等にである。

 

今回、底本の『ジャングル大帝』を忠実に再現しているであろうと思われるこの漫画を

じっくり腰を据えて拝見した結果、絵がプロットが誰それのいついつの何々と言う作品に酷似しているだの、パクっただの、そっくりだの、瓜二つなどと言って来たすべての言葉を撤回します。

 

 

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七十年前に描かれ今日に迄伝わっているこの物語について、美しい扉絵、息を持つかせぬストーリー展開、時に遊びで登場する手塚先生自信の広告ページ、どれもが素晴らしい。

 

 

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そして最終章ラストシークエンスで、アフリカの向けられて書かれた手塚先生の言葉。『アフリカ』と『ジャングル』の部分を『地球』に置き換えた瞬間、ボクは幼な児の昔に引き戻されたような気がして泣きたくなった。

 

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(この記事は親友の大漫画家兼名編集者には内緒だ。「おまえ、今更、そんなこと思うか?」と軽蔑されるに違いない。)

 

 

 

☆余分なこと

70年前、手塚先生てば、吹き出しの中もペン書きしてたんだ。( いいでしょ。別に。よく作品にマッチしてるし。←天の声 )

サイボーグ009とジャングル大帝

連載再現版 サイボーグ009(下) (KCデラックス)

メールのお御説ごもっとも。言い得て妙。どストライク。よかったのは少年キング連載開始時だけでした。いっちゃってる。まことに。

 

むしろ、009ノ1の方が名作だったりして。

 

あと、仮面ライダーもそうだけど、改造人間が好きな先生だなあという気がします。

 

今回、改造人間関連で、昭和24年の山川惣治先生の奇作『虎の人』を用意しようと思ったのですが、チョイスした『サイボーグ009』第一巻が連載開始時の話とは違って恐竜、神様、神話、古代人、宇宙人が出てきて、もうぐちゃぐちゃでした。

 

詰め込み過ぎと言うより、画伯の御説の如く、結末を考えずにやってしまったという感じ。だから、私としても感想の書きようがありません。

 

  ☆          ☆

 

ジャングル大帝 Complete BOX [DVD]

次は、『漫画少年ジャングル大帝』復刻版・手塚治虫先生。弟子と別の意味で師匠も不安です。昔、復刻版が全然世間に出ていない頃、私も田舎暮らしで入手する機会もなかった頃、テレビアニメで放送するより前の頃は、読みたくてたまらなかった作品ですが、絵柄はディズニーの亜流、プロットは山川惣治作品の焼き直しと来た日にゃ、どう感想を述べようかと心配です。