50年前新婚旅行で大学の学食で妻とうどんを食べたこと


うどん手帖 (死ぬまでに一度は食べたい!!全国の名店50+α)

 

50年近く前の話になる。

新婚旅行の帰りに自分が卒業した大学に寄ってみた。

三年前まではここの学生だったと思うと、妻と二人で大学の構内を歩いていて妙な感じがした。

 

学食に入って妻とうどんを食べた。

関西育ちの妻の目には東京の黒い出汁の中に浮いている麺が奇異に映ったらしい。

「まずそう」と言った。

「食べてみな。見た目ほどじゃないから。」と私が言うと、一口食べて

「やっぱり、まずい」と言った。

 

 

大教室の授業を見せてやろうと思って教室の一番後ろの席に座った。労働法の松岡三郎教授のヒューマンズ・リレイションの講義が始まっていた。高卒の妻は目を輝かせながらしばらく授業を聞いていた。

 

講義の終わりに松岡三郎教授が締めくくった。

 

「労使関係論と言っても人と人との関係ですから、ヒューマンズリレイション、すべては人間関係が大切です。『明るい挨拶と健康な笑顔』これに勝るものはありません。」

 

妻は、「難しくてよくわからんけど、大学って凄い。東京って凄い。」と感心していた。ボクはそんなことに感心している新米配偶者に感心した。