地方を無視した東京のテレビ局

いつからか、地方に住んでテレビを見ていると「つまらない」と思うようになった。 「東京のローカルネタ」が地方の人には通じないからだ。

例えば、スカイツリーというテーマなら、日本全国、ほとんどの人に理解出来る。しかし、「目黒区の祐天寺の駅前通りにケーキの美味しいお店がある」 と言われても、地方の視聴者には、わからない。

「目黒区のケーキ屋」は理解出来たとしても、目黒区がどんな区であり、祐天寺がどのような町であり、そもそも「駅前通り」と言われても皆目イメージが出来ない。

こういう状況だから、東京制作のテレビ番組を見るたびに文句を言う地方の視聴者は少なくない。

毎日テレビを見ていても、毎日文句を言っている。 地方で放送されても、東京制作の番組だらけだから、分からないことだらけだ。結果、一日中、テレビに向かって文句を言う。

祐天寺駅前通りの美味しいケーキ屋」がどんなに素晴らしいお店であろうが、話題の人気店であろうが、見に行くことも買いに行くことができないのだから、リアリティもない。しかし、そんな風に 文句を言いながらも、我々はテレビを見るのをやめようとは決して思わない。

「テレビはつまらない」と言いながら、「何か面白いのをやってないかな?」と結局、一日中、見ているわけだ。

テレビとは実に不思議な装置である。