友人の漫画家が手塚先生の短編「最後はきみだ。」を薦めてくれたのだけど、見つからない。
代わりに「光線銃(レイ・ガン)ジャック」を見つけた。子供のころ、読んで、何故かタイトルだけが、強烈に印象に残っていた。ストーリーは覚えていなかった。わずか17ページの短編だった。
未来の地球が舞台のSFで平和と正義と人の命を考えさせられる、いわば、手塚テイストがギュッと詰まった短編の名作。だけど、ストーリーすら忘れていたボクがなぜ、タイトルに強烈な印象を抱いていたかは、わからない。
そして、作品中描かれた未来の地球は汚染が進んで、地表に人類は住めなくなっている。
「光線銃(レイ・ガン)ジャック」のふるさと東京は地下の大都市になっている。お尋ね者のジャックは、地下には、入れない。最期は、弱者のロボットたちを逃がして自らは死んでしまう。
エンディングの一コマのト書きが悲しい。
ジャックは流れ星
ついと、消えていった
200X年の地球の物語 おわり。
仮にxは、1から9のどれかだとして、1963年から一番遠い2009年の地球を
手塚治虫先生が予言したとしたら、この作品に描かれた地球と、2020年現在の地球は悲しいくらい似ている。
安閑としては、いられない。
手塚先生の教えを守るべきだという気がした。