昭和36年(1961年)1月から、雑誌「日の丸」に連載された手塚治虫さんの
「ナンバー7」。
じつは、ボクは長いこと、この作品のタイトルを「地球防衛隊ナンバー7」と勘違いしていた。今回、タイトルが、「ナンバー7」だと知って、「へ?」、拍子抜けした。
(えっ?そんなタイトルだったの?)
月刊「日の丸」は毎月定期購読していなかったから、ストーリーも正確に繋がっていなかったため、今回、通しで読めて、よかった。そういうわけでタイトルもきちんと記憶していなかったのだと思う。
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それから、この作品に対する思い入れは、「ナンバー7」のどことなく憂いを含んだ表情だ。物語の冒頭で父母の死と、百年の眠りにつく悲しい七郎少年のさだめが、涙を誘う。
避けられない大国間の核戦争を予言した作品だ。手塚さんには「太平洋X地点」を始め、核戦争に対する恐怖を描いたものが多い。「ナンバー7」も水爆戦争で危機を迎え、逃げた地球人の後、地球を狙って宇宙のいたる所から、襲ってくる宇宙人の攻撃に対して、地球を守る地球防衛隊の物語になっている。
ふるさと地球を追われた七郎少年、地球防衛隊「ナンバー7」の表情に憂いや悲しみがあるとすれば、それは、核戦争で両親を殺されたという冒頭のエピソードが強く僕らの心に響くからだろう。
地球防衛隊のメンバーは他にもいて、それぞれ、「ナンバー1」、「ナンバー2」、
「ナンバー4」、「ナンバー5」,,,,,,,,と呼ばれ、コンバットチームで戦うこと、敵と戦う強靭な肉体にするため、メンバー各々の身体に改造がほどこされていることなども、のちの石森章太郎の「サイボーグ009」とかぶっているような気がする。
手塚さんは「漫画から漫画を学んではいけない」主義だったというが、ディズニーの影響を受けた過去もあるし、手塚作品のファンであった石森章太郎さんがインスパイヤーされていないはずはないし、どちらも名作で、作家どうしはお互いを認め合っていたようだから、ボクに異存は、ございません。