ケイちゃんの北海道②

ケイちゃんが北海道に行ってさんざん、おばちゃんの世話になったので帰りにお金を渡そうとしたら、当然のことながら、この年の若い姪からおばちゃんはお金を受け取りはしなかった。

「その代わり、七福神の掛け軸があったら、送ってちょうだい。」とおばちゃんは言った。

ケイちゃんは骨董品屋に探しに行ったがなかった。画廊や画商をあちこち回ってへとへとになったが、七福神の掛け軸はなかった。

とうとう、最後に神宮の参道沿いの土産物屋で七福神の掛け軸を見つけた。店員に値段をたずねたら、七百円と言われた。

七福神だけに七百円か。一人の神様が百円か。などと、ばかな考えをめぐらしながら、結局、北海道のおばちゃんへのお礼は七百円となった。掛け軸の送料は1200円だった。

 

安いお礼となったが、若いケイちゃんからの贈り物をおばちゃんはとても喜んでくれた。