先週はそれだけが楽しみで少年チャンピオンを買った。
当時の制作の苦労話と言うか、漫画の舞台裏が知りたかったのだ。
「ひかる風」、これはセンセーショナルで当時は読後に違和感を覚えた。
学生の時、やまがみたつひこの話になると、必ずその作品の話になった。
学校は、未だ学園紛争の余韻を漂わせていた。校舎も学生も一種、冷めやらぬ「宴の後」の雰囲気を有していた。
ボクらは、手の平を返すみたいにノンポリを装って「ひかる風」から「がきデカ」に移って行った。
「死刑っ‼」、「八丈島のキョン‼」、「やっぱり象が好きっ‼」
通学の京王線の中で声高に話していると、中年のオヤジに「バカ。」とつぶやくような声で蔑まれた。
いつの世も若いもんは年寄りが嫌いだ。自分があの時の京王線にいたオヤジのようになって、改めてやまがみたつひこの〈がきデカ〉を読んでみるとあのオヤジの言いたいことが分かる気がする。
オヤジは漫画を読む学生が嫌なのではなく、単に電車の中で騒ぐ若いもんが嫌いなだけだった。
オヤジの年になって言えることは、若いもんの趣味・志向がどうであれ、嫌ったり、批判する気はない。
車中のマナーを守れ。それだけだった。深い話でなくてごめん。