突然の告知で狼狽している。7月1日に大
動脈瘤の除去手術をすると言う。しかも、
カテーテルをやらないという。
心臓僧帽弁膜症弁置換オペの失敗のことが頭をかすめてしまう。2010年10月15日のことだ。今の自分より、8才7か月も若かった。しかも、この手術ほ失敗だった。
術後、ボクは胸が苦しくなり、歩けなくなる。顔は土気色(つちけいろ)で、まるで死人のような顔色だったと言う。後に同僚にそう言われた。
通告後、
14時間経過したが、動揺の幅が大きくなっているのを自覚する。
オペのリスクは、考えられるだけでも、麻酔、輸血、執刀医のオペミスなんかもある。現に九年前の1回めの心臓手術はミスだ。それを認めた若い医師は左遷された。
最後まで否認して逃げ回った医長は二度とボクに会おうとはしなかった。卑怯者でも2回目のオペの執刀医は彼だから、命の恩人だ。もう、ボクはかれを責めたりするつもりはない。
あと、オペ前の検査では、増映剤の投与ですら、病院はクランケから、念書を徴求する。つまり、後遺症のリスクだ。
オペまで、四十日もない。
家内の病気や商売のこと。次男の会社の試算表や、生前非課税相続の手続きなと、やることはたくさんある。
あと、青い鳥シンドロームの長男が金をせびりに来るのが、うっとおしい。完全に相続不適格なのだが、本人にはっきりと告げていない。これをどうするか?死ぬに死ねない。
おっと、辞世の句を詠んどかなきゃ。
「つらい事
楽しいことも
あったけど、
みんなのおかげ
ありがとう。」
変な句だな。
みんなもそう思う?
やっぱり。
ドクターに言われて、妻に大動脈瘤除去手術でカテーテルのやつはリスクが大きいから切開して取り除くらしいとつげたら、
「あっそう。でも、入院前に、レッド・ロビンの選定だけはして行ってね。」
と言われた。