田舎に柚子を取りに行った時に、父親が
司馬遼太郎の「
空海の風景」(タイトルうろ覚え)の文庫本を持っていたような記憶があったので、本棚を探し回ったが発見できなかった。
代わりに見た本で
小学館から出ている「人物日本の歴史」という箱入りのシリーズ本があった。一巻に五人くらいの日本の偉人について記載があり、20巻あったので
空海を調べた。
三島由紀夫は入っていない。この本は三島の生前に購入したので、当時の三島の世間の評価が
ノーベル賞候補の言動の変わった小説家という程度のものだったらしく、バカ野郎解散の
吉田茂には及ばなかったらしい。
空海は入っているが、宿命のライバル
最澄の名はなかった。
で、「人物日本の歴史」をよんで驚いた。さきに 読んだ「
空海の生涯」と書かれている内容がほぼ一致していた。
これは、おそらく、両方の本の著者が選んだ底本が同一のものだったのだろう。
仕方ないことだと思う。例えば、
坂本龍馬の伝記だったら、生前、没後、近年、いろいろな立場のいろいろな人が描いているから、著者の抱くイメージで、性格の違う様々な龍馬の人物像が表現される。
けれど、1200年近く前の
空海については、そもそも字を書ける人が皇室や僧侶、唐への留学経験者に限られるから、少数の限られた
空海像が定着したのだらふ。知らんけどな。