妹闇金顛末記

闇金ウシジマくん(1) (ビッグコミックス)

闇金なんか借りる人がそれまでボクの周りにはいなかった。闇金はボクの勤務先にも親せき中にも電話で督促してきた。

当時ボクは地方銀行の支店勤務だった。ねちねちと脅しをかけてくる闇金の督促にボクは正論で応じた。

 

俺がいつ妹の連帯保証人になると契約としたか

俺はお前からのこの電話で妹がいかがわしいところから借金していると初めて知った。

もし俺が連帯保証人でなく単なる保証人だったとしても借主の妹に直接催告すべきだろう

 

すると闇金のチンピラは

なにせうちらは非合法な金貸しなもん

おにいさんもこういうとこから再三金返せの電話があったら立場が悪くなるでしょう

少し妹さんの借金の肩代わりをされたらどうですか

と言った。

 

馬鹿野郎

非合法なら金なんか返すか。どうせ暴利をとってんだろうが。

100回だろうが200回だろうがかけてきても払えるか

 

妹でもその子供でもさらうなり〇すなりやってみろ

そんな脅しに乗るか

 

ボクが営業中に支店内で大声で怒鳴るもんだから

勤務先にも知れてボクはそのせいで事務センターと言うところに飛ばされてしまうのだが。(だが、残業もノルマも出世の望みもストレスもなくなりずいぶん健康的になった。結果オーライ)

 

途中で〇亀警察署に相談しても何もしてくれなかった。

皆さんにお知らせしますが警察と言うところは大変忙しい役所なので闇金くらいでは動かない。闇金事件が元で人が〇されたりするようなことがない限り助けてはくれません。

なぜ警察官の犯罪がなくならないのか 元熱血刑事がテレビで言えなかったこと

他にもこの〇亀警察署と言うところに関しては不祥事や司法巡査自身の不正、犯罪、横暴でニュースになることが多い署です。

 

 

ボクは一計を案じた。闇金からの督促日(20社くらいあった)は集中していたので、ボクはその日の早朝親せき中に召集を掛けて妹が寝ている間にいぇに上がり込み、親戚に周りを取り囲ませて逃げられないようにして、座敷に電話を引いて妹に闇金の督促があり

次第こう言えと、紙を見せた。

 

妹は馬鹿だから漢字が読めない。よってひらがなで書いてある。

 

(元金だけでもおかえししますので、そちらのじゅうしょばんちをおしえてください。げんきんかきとめでおくります。)

 

 

その日闇金からは次々と電話があり妹は教えられた通り闇金に伝え半分は住所を聞き取った。

住所なんかうかつに言うと警察が踏み込む恐れがあるので言わないはずだが闇金の手先のチンピラにはバカもいて半数は答えた。

 

実は20社あっても実は一つの組織で債務者を延滞督促で追い込んで次の業者を紹介するからと言うのが奴らの常套手段なのだが知能の足りない妹は口車に乗って借金を繰り返した。最初は電柱の張り紙を見て一万円借りた妹の借金は最終的に500万を超えていた。

 

繰り返し電話を受け住所の聞き取りをさせていた時、母親が「○○ちゃん。あんた、だんだん電話が上手になって来たわ。」と妹に言った。親戚一同顔を見合わせうんざりした顔をした。

場の空気を読まない馬鹿母子の様子に皆怒っていた。

 

 

ボクはこの住所地に内容証明郵便を発送した。以下の内容を記した。

 

金利ですでに元金の返済は終了している。

年利換算で4000%を超えた違法な貸金である。

返還請求はしない代わりに二度と関わるな。

以上が守れない時は法的措置で対抗する。

 

それで督促は来なくなった。

 

後に東京地方検察庁がこの一派を逮捕した。

漫画でしか見かけなかったスイス銀行という文字もこの時初めて現実に見た。

スイス銀行の秘密―マネー・ロンダリング

スイス銀行にプールされていた闇金による被害金を押収したから被害者全員の申告が終了次第、配当すると言う趣旨の通知書が妹の所に来た。

妹は馬鹿なので内容もきちんと読まず被害金が返ってくると喜んだが、ボクの所にその通知文が来たのは締め切りの一週間前だった。

 

 

ボクは妹に変わって母が偏差手に空いたとする400万円余りのエビデンスを集め(通帳の出金記録、送金の領収書など)東京地検に郵送した。

 

還付はわずか40万円ばかりだった。妹の口座に東京地検から振り込まれたが、妹はその金を母親に返さず、二番目の亭主と一緒になってパチンコ、遊興費に費消した。

 

きっと死んだら地獄に行くと思う。しかし妹をそういう人間にしたのは母親の甘やかしが原因である。二人そろって天罰を受けるに違いない。

 

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