元銀行支店長ったってバカばっかり

勤務評定と言っても大半が実績評定であるから融資額預金獲得額が何十億とかそういう尺度でしか見られていない。

その人物が常識のある社会人かどうかなどと言う基準で支店長に選ばれたわけではない。また冷静に市場経済の分析をして組織に貢献したり顧客に適切な資産運用のアドバイスができるような人物もめったにいない。イヤ皆無といってもいいかもしれない。

 

半沢直樹シリーズのテレビドラマで片岡愛之助演じるところのおかまの金融監督庁主任検査官も如何にもドラマらしくデフォルメされた変人の検査官であったが銀行の支店長も奇人、変人、犯罪者、詐欺師、変態は多い。有能な支店長というのは少ない。むしろ無能の人ばっかり。

 

ある支店長は接待能力だけを認められて支店長になったために大変惨めな思いをした。

いや当の本人はそれに気づいていない。地元の大きな総合病院の理事長のゴルフやマージャン賭博の仲間であった。類は友を呼ぶでその病院理事長の愛人のマンションを手配したり、その病院がシンガポールに進出した時に理事長の夜の観光の案内役を買って出たりしていいように使われていた。

褒美として理事長からその支店が窓口となり病院のメイン銀行となることを許された。それまでのメイン銀行は地元の地銀であったがその病院が創成期の田舎の小さな診療所時代から銀行と病院でタッグを組んで成長してきただけに理事長の突然の変節に地銀は驚き同時にメイン銀行の立場を奪われたため、接待の得意な商売敵の銀行の支店長はずいぶん恨まれたようだ。

 

その接待専門支店長はコネと病院理事長に取り入って業績を伸ばしてきただけであるから銀行員としての知識も常識もなかった。

 

ゴルフと野球の話しかしない。日経新聞は読まない。毎朝スポーツ新聞を手に出勤する。本部監査や金融庁、日銀の臨店検査の時だけそわそわと落ち着きがない。なにか不正でもしているのではないかと周りが疑い出す頃には使い込みや不正融資の悪事が表に出て背任横領と詐欺罪で逮捕告訴された。無論銀行の方は懲戒解雇となった。

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